2025/05/11 19:26

韓国の研究チームが大麻草から11種類の化合物を分離・特定しました。これらの化合物の中にはクロリン系の新規化合物(クロロフィル由来の成分)も含まれており、いずれも大麻草から初めて報告されたものです

その中にはこれまで化学文献で報告されていない新しいカンナビノイドカンナビエルソクサが発見されたそうです。

今回の研究では主に1歳未満の乳児に影響を及ぼす神経芽細胞腫という小児がんの細胞に対して、その効果が評価されました。その結果、7種類の化合物が腫瘍細胞の増殖を強く抑制する効果を示しました。

🧪 抗腫瘍効果を示した主な化合物

  • カンナビジオール(CBD)

  • カンナビジオール酸(CBDA)

  • カンナビジオール酸メチルエステル(CBDA-ME)

  • デルタ-8-テトラヒドロカンナビノール(Δ8-THC)

  • カンナビクロメン(CBG)

さらにクロリン系の新規化合物である「13²-ヒドロキシフェオフォルビドbエチルエステル」と「リグラリアフィチンA」も特定されました。これらも抗腫瘍効果を示しましたが、カンナビノイド系化合物の方がより高い効果を示しました。

🌱 新たなカンナビノイド「カンナビエルソクサ」の意義

カンナビエルソクサは、これまで科学文献で報告されていない新しいカンナビノイドです。今回の研究では神経芽細胞腫に対する直接的な効果は確認されませんでしたが、その化学的特性や将来的な評価により、他の医療分野での応用が期待されています。

この研究は、カンナビノイドが小児がん治療において有望な補完療法となる可能性を示しています。今後は、ヒトを対象とした臨床試験や長期的な毒性評価など、さらなる研究が必要です。しかし、今回の発見は、がん治療の新たな道を開く重要な一歩となるでしょう。

Reference:Nguyen, T.-Q., Lee, J., Kim, Y. T., Kim, D., Lee, S., Kang, H., & Hong, J. (2025).

New Cannabinoids and Chlorin-Type Metabolites from the Flowers of Cannabis sativa L.: A Study on Their Neuroblastoma Activity.
Pharmaceuticals, 18(4), 521.
https://doi.org/10.3390/ph18040521