2025/07/08 00:00
日本における約4,000人の大麻使用者を対象とした大規模調査によって、「大麻使用がより危険な薬物使用へとつながる」というゲートウェイドラッグ仮説に科学的な根拠がほとんどないことが明らかになりました。この結果は以前から誤りであるとされてきたこの仮説をさらに否定するものです。
この研究は学術誌『Neuropsychopharmacology Reports』に発表され、大麻は使用者が最初に試す薬物ではなく通常3番目に使用される薬物であることが報告されています。
研究チームは「日本において大麻の使用は、アルコールやたばこに続いて始まる傾向にあり、その後にさらに危険な薬物へ移行することはまれである」と結論づけています。対象となったのは、地域社会に住む大麻使用者3,900人から得られたデータです。
最も初めに使用された薬物として多かったのは、たばこ、次いでアルコールで、大麻は3番目として報告されました。注目すべき点は、大麻を3番目に使用した人のうち、54.7%がそれ以降に他の薬物へ移行していないという事実です。
大麻使用後に他の薬物へ進む確率は非常に低く、具体的には以下のような数値でした(オッズ比):
アルコール:1.25
→ 大麻を使った人がその後アルコールを使う可能性は、他と比べてやや高い(25%高い)
(ただしアルコールは多くの人が日常的に使っているため、大麻とは無関係の可能性も高い)
たばこ:0.77
→ 大麻使用者は、たばこを使う可能性がむしろ少し低い
覚醒剤(メタンフェタミン):0.08
→ 極めて低い確率。大麻使用後に覚醒剤へ進む人は非常にまれという意味。
その他の違法薬物:0.78
→ 他の違法薬物に進む可能性も比較的低い
本研究の主任研究者である聖マリアンナ医科大学の正高雄二医師は「これらの結果は、日本におけるゲートウェイ仮説に疑問を投げかけるものだ」と述べています。
この研究は、2024年12月に日本で大麻使用に対する初の刑事罰が導入され、最大懲役7年までの厳罰化が施行されたという政策の転換期に発表されました。
研究者たちは、薬理学的な“ゲートウェイ効果”ではなく、心理社会的な脆弱性の共有こそが、薬物使用の傾向を説明する鍵ではないかと示唆しています。つまり、日本の厳しい薬物規制や社会的スティグマ(偏見)が、欧米とは異なる使用行動に影響を与えている可能性があるということです。
この匿名調査は2021年1月にインターネット上で実施され、主にSNSを通じて参加者が募集されました。回答者の81.5%が男性で、最も多かった年齢層は20~24歳(28.9%)でした。
調査によると、大麻使用者の10.4%が覚醒剤の使用経験があると回答しており、これは日本の一般人口における推定使用率(0.5%)よりも高い数字です。ただし、研究チームはこのデータが因果関係を示すものではないと明言しています。
研究者たちは、日本の規制環境が、大麻と他の違法薬物を同じブラックマーケットに流通させる構造を作り出しており、薬理的な影響ではなく政策によって使用機会が増えている可能性があると指摘しています。
この研究にはいくつかの限界もありました。たとえば、参加者が大麻擁護派のプラットフォームから集められたことや、自己申告によるデータである点などです。研究チームは、今後、一般人口を対象としたより大規模な追跡調査(コホート研究)の必要性を訴えています。
また、別の研究では、脳の画像解析技術を用いた結果、大麻使用が脳を変化させハードドラッグに手を出すようになるという根拠は見つかりませんでした。
この研究は2025年1月に発表されたものでゲートウェイ仮説の神経学的根拠を探るものでしたが、大麻使用によって「より強い薬物に依存しやすくなるような脳の変化は確認されなかった」と結論づけています。
研究者たちは、大麻から他の薬物への移行がある場合でも、それは環境的・社会的な要因や、もともとの精神的問題に起因する可能性が高く、大麻そのものが引き起こす生物学的変化ではないとしています。
🔻この研究とは別に人生の早い段階で薬物を摂取する可能性が高い人がいるのかを調べた研究ではゲートウェイではなく元々の脳構造の違いが発見されました。これは薬物使用が引き起こしたものではなくは、個人が持っている特性ということになります。その特性がある人を法で裁くよりもハームリダクションという安全に使わせることでリスクや被害を減らすというアプローチを取る必要があると私は思います。大麻を厳しく取り締まれば闇市場が拡大し、その資金が反社会勢力に流れ込むのは世界的に指摘されている事実です。したがって、こうした政策を推進する政府は、結果的に反社会勢力を助長していると言っても過言ではありません。今回の研究で時代遅れのアンチ大麻の天才たちは自分達がどれだけ情弱であるかを自認すると思います。
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