2025/08/06 05:16

CBDがアルコール依存症に効果?

脳の感情制御や依存形成に関わる領域を保護する可能性も

2025年7月21日、カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームはCBD(カンナビジオール)の投与によって、アルコール依存の減少や脳の損傷予防に効果がある可能性があると発表しました。この研究は科学誌『Neuropsychopharmacology』に掲載されアルコール使用障害(AUD)治療への新たな道を示唆しています。


研究内容と方法

研究チームは、2つのラットモデル(1.間欠的エタノール暴露、2.エタノール蒸気の自己投与)を使用して、CBDがアルコール依存に及ぼす影響を調べました。これらは、人間のアルコール依存症の特性を反映したモデルです。

CBDは30mg/kgおよび60mg/kgの用量で投与され、以下のような効果が確認されました。


主な結果

  • 自発的なアルコール摂取量が減少

  • 禁酒時の身体的な離脱症状を緩和

  • 不安症状を軽減

  • ストレスによるアルコール再摂取行動(再発)を防止


脳への影響

神経生物学的には、CBDは以下のような保護効果を示しました:

  • 扁桃体(特に基底外側扁桃体:BLA)の神経活動を正常化
     → CBDは、アルコール依存によって乱れやすくなる「感情のコントロールセンター」を落ち着かせてくれる働きがあると示されています。このセンターは脳の中の「扁桃体(へんとうたい)」という場所で、特に「基底外側扁桃体(BLA)」という部分が、怒りや不安、ストレスといった強い感情に深く関わっています。依存状態にあると、ここが過剰に反応しやすくなりますが、CBDを与えることでその過敏さが落ち着き、気持ちの安定につながる可能性があるのです。

  • 報酬系および習慣形成に関わる脳領域(側坐核・背内側線条体)での神経変性を抑制

     →CBDは「快楽」や「クセづけ」に関わる脳の領域――たとえば「側坐核(そくざかく)」や「背内側線条体(はいないそくせんじょうたい)」――を守る作用も持っていると考えられています。これらの部位は、「お酒を飲むと気持ちいい」という経験を脳に刻み込み、「また飲みたい」という欲求を生み出す役割を果たしています。アルコールを繰り返し摂取することで、こうした領域にダメージが蓄積され、依存が深まっていきますが、CBDはそうした神経のダメージを和らげ、依存のクセが脳に染みつくのを防いでくれる可能性があります。


 ヒトへの応用性も?

特筆すべきは、ラットで測定されたCBDの血中濃度が、ヒトの臨床試験で確認されたレベルに類似していたという点です。
また、CBDは鎮静作用やアルコール代謝への悪影響を示さなかったことから、補助療法として安全性が高いことも強調されています。


 今後の展望

この前臨床段階の研究は、CBDが治療法が限られているアルコール依存症(AUD)への新たな選択肢となる可能性を示しています。
研究チームは、今後のステップとしてヒトにおける臨床試験の必要性を強調しています。


🔻脳の話も出てきたので難しく書いてありますが、つまりCBDは感情の暴走を抑えつつ、「やめられない」という脳のクセを静かにほどいてくれるような働きをしているかもしれないということです。今回はラットでの研究でしたが実際私の友人はアルコール依存がひどく体重も100キロを超えるまで飲み続けていましたが、CBDを摂取するようになってからアルコールを欲しなくなり体重も減りしっかりと痩せました。更なる研究でヒトでの臨床研究が行われ依存症に苦しむ人が一人でも無くなってほしいですね。


Reference:
Equipo de redacción de Cáñamo. (2025, julio 25). Investigación destaca potencial del CBD contra la adicción al alcohol. Cáñamo. https://canamo.net/noticias/mundo/investigacion-destaca-potencial-del-cbd-contra-adiccion-al-alcohol