2025/10/06 04:00


🌿 はじめに:CBDを超える新星「CBGD」の登場

医療大麻(メディカルカンナビス)の研究が進む中世界中で新たなカンナビノイドが次々と発見されています。
そんな中、2025年10月イタリアとスイスの研究チームが「驚くべき抗酸化・抗炎症効果」を持つ新しい化合物 カンナビゼトール(CBGD) を発表しました。

この発見はCBD(カンナビジオール)に続く第2、第3のカンナビノイドブームを予感させる画期的なニュースです。


🧬 カンナビゼトール(CBGD)とは?

CBGD(Cannabizetol)は2つのカンナビノイド分子がメチレン架橋という化学的な結合によってつながった「二量体カンナビノイド(dimeric cannabinoid)」に分類されます。

現在カンナビス(Cannabis sativa)から確認されている二量体カンナビノイドはわずか4種類のみ
その中でもCBGDは構造・活性ともに非常に珍しく新しい化学的空間を切り開く発見とされています。

「CBGDは、既存のカンナビノイドを上回る抗酸化・抗炎症効果を示した」と研究者たちは報告。


💎 CBDとの違い:CBGDは「二量体」で効果が強力?

CBDやCBG、THCなどは単一分子(モノマー)のカンナビノイドです。
一方、CBGDは「二量体(ダイマー)」という構造を持ち2つのカンナビノイドが結合して1つになった分子です。

この構造の違いが生理活性に大きな影響を与えるとされています。

研究チームの報告によるとCBGDは既知の二量体であるカンナビツイノール(Cannabitwinol)よりも、はるかに高い抗酸化作用と皮膚の抗炎症作用を示しました。


🧫 実験内容:皮膚炎症に関する遺伝子検証

研究では、ヒトの炎症関連遺伝子84種類に対して、CBGDの影響を6時間処理して検証しました。
結果NF-κB(炎症の“スイッチ”となる分子経路)の活性を顕著に抑制。

つまりCBGDは皮膚の炎症を根本から抑える作用を持つことが示されたのです。

研究者らはCBGDは皮膚疾患やアンチエイジング分野における有望な候補と結論づけています。


🌸 医療大麻・CBD業界へのインパクト

この発見は医療大麻やCBDの未来にも大きな影響を与える可能性があります。
現在、CBDは不安緩和・抗炎症・鎮痛など多くの分野で研究が進んでいますが、CBGDはさらにその上を行く「次世代カンナビノイド」として注目されています。

特にスキンケアや皮膚疾患(アトピー、ニキビ、乾癬など)への応用が期待され、CBDコスメの次なるトレンドになる可能性も。


⚗️ 科学的背景と今後の展望

この研究は、アメリカ化学会の査読付き学術誌『Journal of Natural Products』(2025年9月号)に掲載されました。
研究チームは以下のように述べています。

「カンナビスには、まだ未知の二量体カンナビノイドが数多く存在する可能性があり、それらが新たな生物活性を持つことが期待される」

また合成化学分野ではフローケミストリー(flow chemistry)という技術を使い、CBGDの再現や量産化の道が開かれつつあります。
これは、将来的に
医療用カンナビノイド製剤
として実用化される可能性を示しています。


🧠 カンナビノイド研究の進化:THCからCBGDへ

カンナビノイドの研究は以下のように進化してきました。

年代主な発見内容
1964年THC(テトラヒドロカンナビノール)精神活性成分として単離
1990年代エンドカンナビノイドシステム(ECS)人体内のカンナビノイド受容体を発見
2000年代〜CBD、CBG、CBNなど医療・健康用途で注目
2025年CBGD新しい二量体カンナビノイドの発見

CBGDはこの流れを継ぐ「第4世代のカンナビノイド」と言えます。


🌿 まとめ:CBGDが切り開くカンナビノイドの未来

  • ✅ CBGDは2つのカンナビノイドが結合した「二量体」構造

  • ✅ CBDを超える抗酸化・抗炎症作用を持つ

  • ✅ 皮膚疾患やスキンケア分野への応用が期待

  • ✅ 医療大麻研究の新たなフェーズを象徴する発見


🔻CBDやCBG、THCと同様にCBGDの研究も今後ますます進展していくでしょう。記事にもある通りすでにフローケミストリーという方法でCBGDの生産が可能となっており大量に作ることも可能となってくるでしょう。これから数年のうちにCBGD配合のスキンケア製品や医療用製剤が登場する可能性もあり、CBDを超える人気のカンナビノイドとなりそうですね!


🔖 Reference