2025/10/24 01:29
― 医療大麻の新たな可能性を示す臨床データ ―
2025年2月アメリカ・フロリダ州セントピーターズバーグで行われた臨床試験により、
THCV(テトラヒドロカンナビバリン)とCBD(カンナビジオール)を併用することで、
有意な体重減少およびコレステロール値の改善が確認されました。
この研究結果は、医学誌『Cannabis』に掲載されています。
🌿 THCVとCBDとは?
THCVはTHC(テトラヒドロカンナビノール)に化学構造が似ていますが、
ハイ(精神活性作用)を引き起こさない特徴を持ち、
特に食欲抑制作用や代謝改善効果が注目されています。
一方のCBDは、抗炎症作用・ストレス軽減・血糖コントロールなどで知られ、
医療大麻の分野ではすでに広く研究・実用化が進んでいます。
今回の研究はこの2つのカンナビノイドを同時に摂取したときの相乗効果を探る初の臨床試験です。
🧪 臨床試験の概要
実施場所:米フロリダ州セントピーターズバーグ
研究者:Nex Therapeutics社の研究チーム
被験者:肥満傾向の成人
方法:THCVとCBDを含む経口フィルム(口腔粘膜に貼るストリップ)を
1日1回、90日間にわたり摂取。食事や運動の制限はなし。対照群:同期間にプラセボ(偽薬)を摂取したグループ
📉 結果 ― 明確な体重減少と代謝改善
試験の結果、THCVとCBDを併用した被験者はプラセボ群と比較して:
体重が有意に減少
腹囲(ウエストサイズ)が減少
収縮期血圧(上の血圧)が低下
総コレステロールおよびLDL(悪玉)コレステロールが低下
さらに、多くの被験者が副作用を感じなかったと報告しており、
安全性の高さも示されました。
研究者は次のように結論づけています:
「THCVとCBDを含む経口ストリップを90日間、1日1回使用することで、
臨床的に有意な体重減少と代謝改善が確認された。」
💡 背景研究との関連性
2023年にはCBDとTHCの舌下スプレーを使用した臨床試験でも、
血糖値とコレステロールの改善が確認されています。
また、過去のデータではTHCVが2型糖尿病患者の空腹時血糖を下げることも報告されており、
今回の研究はそれらを裏付ける形となりました。
🍃 今後への期待 ― “ナチュラル・メタボ対策”としての可能性
この研究結果は、肥満や生活習慣病に対する新たな自然療法として、
THCV+CBDの併用が注目される大きなきっかけとなりそうです。
薬剤のような強い副作用を持たず、
代謝を自然に整えるアプローチとして、
今後はサプリメント・エディブル・ナノカプセルなどの形で
市場拡大が期待されています。
🔻THCVとCBDの併用により大きな効果を得ることができるアントラージュ効果を発揮することが出来るなんでとても素晴らしいことですね。しかも強い副作用を持たずに代謝を整えてくれるということで現在使用されている糖尿病治療薬は過去のものとなりそうです。現在の治療薬の副作用は低血糖、膀炎、体重増加、尿路感染症など多岐にわたる副作用をもたらします。しかしカンナビノイドは現在の標準治療に匹敵する、またはそれ以上の効果を発揮することが証明されています。しかもカンナビノイドには抗炎症作用もある為糖尿病の進行を抑え合併症を防ぐ可能性がありより安全な糖尿病治療薬として実用化が期待されます。
REFERENCE:
NORML. (2025, February 27). Clinical trial: Concomitant administration of THCV and CBD promotes weight loss, improves cholesterol. Cannabis Now. https://norml.org/news/2025/02/27/clinical-trial-concomitant-administration-of-thcv-and-cbd-promotes-weight-loss-improves-cholesterol/