2025/12/19 14:35

歴史的大転換!大麻はスケジュールIからスケジュールIIIへ

2025年12月、トランプ大統領が大麻政策に関する大統領令へ署名することが明らかになりました。発表前に内容の一部が関係者からリークされ、大麻の再分類、CBDの医療利用、ヘンプ産業の救済といった重要な方針が含まれていることが分かっています。

今回の動きは、大麻を取り巻くアメリカの制度を大きく変える可能性があり、医療・産業・研究のすべてに影響を与えるものです。


大麻はスケジュールIからスケジュールIIIへ

これまで大麻はへロインや覚醒剤(メタンフェタミン)などと同じ「スケジュールI」に分類されてきました。スケジュールIは「医療用途が認められておらず、乱用リスクが高い」とされる最も厳しい区分です。
今回の大統領令によって、
大麻は医師が処方する医薬品と同じ位置づけである「スケジュールIII」へ移行することになります。これは大麻を合法化するものではありませんが、
医療的価値が公式に認められ処方薬と同じ枠組みで研究や利用が進められる段階に入ることを意味します。


この変更は合法化を意味するものではありませんが、次のような影響があります。

  • 医療・科学研究が進めやすくなる。

  • 大麻関連事業者が、これまで違法薬物事業とみなされ一般的な経費控除か認められていませんでしたが、禁止されていた連邦税控除(IRS 280E)を利用できることにより大幅な税負担の可能性が生まれる。

特に研究分野では、大学や医療機関が大麻を扱いやすくなり、医学的エビデンスの蓄積が期待されています。


医師によるCBD処方とメディケア適用の可能性

今回の大統領令の中でも注目されているのがCBDの医療利用拡大です。

ホワイトハウス関係者によると、

  • 医師がヘンプ由来CBD製品を推奨・処方できるようにする

  • 一部の患者はメディケア(米国の公的医療保険)でCBDを無償提供されるモデルを導入。対象となる患者は年間最大500ドル(7.5万円)の補助を受けられます。

という内容が含まれています。


対象となるCBD製品は、

  • 合法な供給元であること

  • 州・地域の品質および安全基準を満たしていること

  • 第三者機関による成分・汚染物質検査を受けていること

など厳格な条件が設けられています。
医療現場での管理を前提としたCBD利用が進む形です。


ヘンプの定義見直しとフルスペクトラムCBD

トランプ大統領が最近署名した歳出法案では、摂取可能なヘンプ製品を実質的に制限する内容が含まれており、業界からは強い懸念の声が上がっていました。

今回の大統領令では、
フルスペクトラムCBDが患者に提供され続けるようヘンプの定義を見直すことを議会に求める
とされています。

これはCBD業界やヘンプ農家にとって大きな意味を持ち合法市場を維持するための重要な一歩といえます。


なぜ今、大麻の再分類が進むのか

ホワイトハウスは今回の政策について、
「目的は研究の障壁を取り除くこと」
と明確にしています。

多くの患者が慢性痛やその他の症状に対して大麻やCBDを使用している一方で、

  • 効果が出る条件

  • 適切な使用量

  • リスクや依存性

についての科学的データが不足している現状があります。

国立薬物乱用研究所(NIDA)のノラ・ヴォルコウ所長も大麻には治療の可能性がある一方で依存性のリスクもあるため、両面を理解するための研究が不可欠だと強調しています。


今後の注目ポイント

今回の大統領令は、

  • 医療用大麻・CBDの研究拡大

  • ヘンプ産業の制度的な救済

  • 高齢者や慢性痛患者の治療選択肢の拡大

につながる可能性があります。


一方で銀行制度改革や恩赦措置などについては今回の説明では触れられておらず、最終的な大統領令の内容が公表されるまで注意深く見守る必要があります。

アメリカの大麻政策はいま「規制一辺倒」から「科学と医療を重視する段階」へ移行しつつあります。この変化は、世界のカンナビノイド市場や研究動向にも確実に影響を与えていくでしょう。


🔻2025年9月、トランプ大統領は自身のSNSであるTruth Socialにて、高齢者のためのCBD活用やメディケア(公的医療保険)への適用を支持する動画を投稿し大きな注目を集めました。当時、大麻のスケジュール変更についてはあくまで噂の域を出ず、実際に実行されるのか懐疑的な見方も少なくありませんでした。しかし本日、トランプ大統領は大麻のスケジュール変更に関する大統領令へ正式に署名し、歴史的な一歩を踏み出しました。これは単なる発言やパフォーマンスではなく実際の政策として動き出したことを意味します。現時点では大統領令の全文はまだ公開されておらず、具体的な制度設計や運用については不透明な部分も残っていますが、事業者にとっても利用者にとっても前向きな内容となることを強く期待したいところです。この巨大な波は必ず日本にも影響を与え、副作用ありきで苦しむ既存の投薬治療からカンナビノイドと言う新たな選択肢へ医療そのものが変わる未来になっていくことでしょう。


REFERENCE:

Jaeger, K. (2025, December 18). Trump’s marijuana executive order details leaked ahead of announcement, including CBD and hemp provisions. Marijuana Moment. https://www.marijuanamoment.net/trumps-marijuana-executive-order-details-leaked-ahead-of-announcement-including-cbd-and-hemp-provisions/


Roberts, C. (2025, December 18). President Trump reschedules marijuana, moves for Medicare to cover CBD. MJBizDaily. https://mjbizdaily.com/news/president-trump-reschedules-marijuana-moves-for-medicare-coverage-for-cbd/613602/